455 熱中症対策 義務化!!

皆さんおはようございます。

令和7年6月1日施行!熱中症対策義務化と交通誘導警備の現場で取るべき対策

令和7年6月1日より、企業における熱中症対策が法的に義務化されました。この改正労働安全衛生規則の施行は、

これまで「努力義務」とされてきた熱中症対策が、罰則を伴う「法的義務」へと変わる画期的な転換点となります 。

特に、屋外での長時間勤務が常態化する警備業、中でも交通誘導警備業務においては、

この義務化が従業員の安全と健康を守る上で極めて重要な意味を持ちます。過去の熱中症による重篤な健康被害や死亡災害の増加が、

今回の法改正の背景にあるため、企業は従来の取り組みを見直し、より実効性のある対策を講じる必要に迫られています 。

これは単に「対策をしている」というだけでなく、その実効性と網羅性が問われる時代になったことを示唆します。  

警備業は屋外作業が中心であり、交通誘導警備は炎天下での長時間勤務が常態化しやすい特性があります。

この義務化は、警備員の生命と健康を守るだけでなく、企業の社会的責任を果たす上で不可欠な要素となります 。

安全配慮義務の観点からも、対策を怠った結果、労働者が熱中症になった場合、

会社は損害賠償請求される可能性があり、法的リスクが大幅に高まることになります 。

 

改正労働安全衛生規則では、「熱中症を生ずるおそれのある作業」が熱中症対策の対象と明確に定義されています。

具体的には、湿球黒球温度(WBGT)が28度以上、または気温が31度以上の環境下で、

1時間以上連続、または1日4時間を超えて行われる作業が見込まれる場合がこれに該当します 。

この「場所」は工場や倉庫などの固定された作業場に限らず、出張先での作業や、移動しながら行う清掃・点検業務、

さらには建設現場での移動中の作業なども含まれるため、広範な業務が対象となり得ます 。  

義務化される対策は大きく分けて二つの柱があります。一つは、熱中症患者の報告体制の整備と周知です。

熱中症の自覚症状がある作業者や、熱中症のおそれがある作業者を発見した者が、

その旨を報告するための連絡先や担当者(熱中症対策責任者など)をあらかじめ定め、関係作業者へ周知することが求められます 。  

もう一つは、重篤化防止措置の手順作成と周知です。熱中症のおそれがある労働者を把握した場合に迅速かつ的確な判断が可能となるよう、

作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じた医師の診察・処置、事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先・所在地など、

症状悪化防止のための措置内容と実施手順を定め、関係作業者へ周知する必要があります 。

熱中症による死亡原因が「初期症状の放置や対応の遅れ」にあるという背景から、これらの義務化は、

早期発見と迅速な初期対応を組織的に担保することを目的としています 。これにより、個人の判断に依存するリスクを減らし、

組織全体で対応する仕組みを構築する必要があるため、マニュアル作成や緊急連絡網の整備は不可欠です。  

この義務は自社の従業員だけでなく、同じ場所で作業をする関連会社、請負業者、派遣労働者にも適用されます 。

これは、警備業のように多様な現場で他社と連携することが多い業界において、元請け企業や現場責任者が、現場全体の包括的な熱中症対策を主導し、

共有する体制づくりが求められることを意味します。単に自社内だけでなく、協力会社との連携強化が必須となります。  

交通誘導警備業務は、その性質上、熱中症リスクが高い業務です。屋外での長時間立ちっぱなし勤務により、

直射日光や高温に長時間さらされることが常態化します 。特に都市部ではアスファルトの照り返しにより体感温度が急上昇し、

地表温度は実際の気温より10℃以上高くなることもあり、警備員の足元や全身に熱がこもりやすくなります 。

さらに、警備員の制服や防弾チョッキ、安全ベスト、ヘルメットといった装備品は、安全のために不可欠ですが、通気性を妨げ、

体温上昇を促進する要因となります 。梅雨時期は気温がそれほど高くなくても湿度が高く、

汗が蒸発しにくいため体温調節が困難になり、熱中症リスクが高まることも認識が必要です 。  

これらのリスクを踏まえ、以下の予防策を徹底することが不可欠です。

  • 水分・塩分補給の徹底「喉が渇いてから飲むのでは遅い」という原則に基づき 、作業前後、休憩中、作業中(15~20分ごと)にコップ1杯程度をこまめに摂取しましょう 。
  • 汗で失われる塩分やミネラルを補給するため、スポーツドリンクや経口補水液、塩飴などを活用することが効果的です 。  
  • 適切な休憩の確保と場所長時間連続で作業しないよう、定期的な休憩(15~20分程度)を義務付け
  • 涼しい場所(冷房完備の休憩室、日陰、風通しの良い場所)での休息を徹底します 。
  • 現場に日陰がない場合は、携帯型の簡易テントやパラソルの常備、交通整理車両を一時的なシェルターとして利用する工夫も検討が必要です    
  • 服装と冷却グッズの活用熱を吸収しにくい白や淡い色の、吸湿性・速乾性・通気性の高いインナーや、空調服(ファン付き作業服)の積極的活用が非常に効果的です 。
  • ネッククーラー、冷却ベスト、冷却タオル、ヘルメットと頭の間に挟む頭冷却パッドなど を常備し、首や脇の下、太ももの付け根など太い血管が通る部分を冷やすことで、効率的に体温を下げられます 。
  • これらのアイテムは単なる快適グッズではなく、安全を確保するための重要な装備品と位置づけられます。  
  • 作業管理WBGT値や気象情報に基づいた作業時間の短縮や、暑い時間帯(日中の舗装路での勤務時間を調整)の作業回避、人員増強による交代制の導入を検討します 。  
  • 健康管理日常的に十分な睡眠を確保し、バランスの取れた食事を摂るなど、体調を整えて業務にあたるよう指導します。
  • 睡眠不足や前日の飲酒、朝食の未摂取は熱中症リスクを高めるため注意が必要です 。  
  • 早期発見「気づけなかった」を防ぐため、受動的ではなく“こちらから気づく”仕組みが鍵となります 。
  • バディ制度(2人1組)やリーダーによるこまめな声かけと体調確認を徹底し、顔色の悪さや汗のかき方など異常の兆候に注意を払います 。
  • ウェアラブルデバイス活用による体温・脈拍モニタリングも推奨されます 。  
  • 応急処置熱中症の疑いがある場合は、直ちに涼しい場所(日陰、冷房の効いた室内)へ移動させます 。
  • 衣服を緩め、皮膚を露出させ、濡れたタオルや氷のう等を使って身体(首、脇の下、太ももの付け根などの太い血管が通る部分)を冷やします 。
  • 意識がある場合は、少しずつ水やスポーツドリンクを飲ませます 。  
  • 医療機関への連絡状態が改善しない場合や意識がない、朦朧としている、返答が鈍い、体温が非常に高いなどの重度の症状が見られる場合は、迷わず速やかに救急車(119番)を要請
  • 医療機関に連絡します 。緊急連絡網や警備場所ごとの搬送先病院リストの整備と周知が必須です 。  

教育と周知の徹底

熱中症対策の義務化に伴い、全従業員への教育と情報周知の重要性は増しています。

教育と周知は、単に知識を伝えるだけでなく、熱中症対策を組織文化として根付かせるための基盤となります。

熱中症の症状(めまい、吐き気、意識もうろうなど)、予防方法(水分・塩分補給、適切な服装、休憩)、

緊急時の救急処置(意識確認、冷却、119番通報のタイミング)、熱中症の事例などについて、管理者向け(3.5時間程度)および作業者向けに定期的な労働衛生教育を実施します 。

特に、自覚症状に関わらず水分・塩分を摂取することや、日常の健康管理、緊急時の連絡方法を重点的に教育します 。

緊急時の対応手順は、パニック状態でも冷静かつ迅速に行動できるよう、繰り返し訓練し、実践できるようになるまで習熟度を高める必要があります。  

教育内容の周知は、配属前研修やミーティングでの口頭説明に加え、詰所や控室への掲示、電子メールでの配信、文書配布など、多様な手段で情報伝達を徹底します 。

新任警備員やシニア層を含め、すべての警備員が内容を把握できるようにすることが重要です 。

「知らなかった」では済まされないため、協力会社や派遣の警備員にも必ず情報を伝達することが求められます 。  

「熱中症はどれほど気をつけていても完全には防げない」という認識は、予防策だけでなく、発生時の「早期発見・早期対応」の重要性を強調します 。

適切な教育を受けた従業員は、自身の体調変化だけでなく、同僚の異変にも気づきやすくなり、相互扶助の精神を育むことで、現場全体の安全性が向上します。

定期的な教育と情報共有は、法令遵守の証拠となるだけでなく、従業員が「会社が自分たちの安全を真剣に考えている」と感じることで、

エンゲージメントやロイヤルティの向上にも繋がります。これは、人材確保が課題となる警備業界において、従業員の定着率を高め、ひいては企業競争力強化の一環ともなり得ます。  

令和7年6月1日からの熱中症対策義務化は、警備業にとって従業員の安全と健康を守るための不可欠な取り組みであり、

企業の社会的責任を果たす上でも極めて重要です。法令遵守は最低限の義務であり、

それを超えて従業員の健康と安全を最優先する姿勢を示すことで、企業価値を高めることができます。

当警備会社は、この法改正を単なる義務として捉えるのではなく、警備員一人ひとりが安心して業務に専念できる、

より安全で働きやすい職場環境を継続的に構築していくための重要な機会と捉えています。今後も、法令遵守はもちろんのこと、WBGT値の活用、

適切な休憩場所の確保、最新の冷却グッズ導入、そして何よりも従業員同士の「声かけ」と「見守り」を徹底し、会社全体で熱中症対策を強化していく所存です。

熱中症対策への積極的な投資と取り組みは、労働災害リスクの低減に直接寄与するだけでなく、

従業員の士気向上、離職率の低下、そしてひいては警備サービスの質の向上という好循環を生み出します。安全な環境で働くことは、

警備員の集中力とパフォーマンスを維持し、結果として顧客へのサービス品質を高めます。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

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コミュニケーションに、情熱を注ぐ。

警備のあしたに、希望を注ぐ。

 

株式会社シナジーコミュニケーションズ

警備事業部 吉本 義正 (部長)

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